え、こだまの世界?

A day in the life of...?

なぜ不倫を刑罰で禁止しないのか、某会議など

少し遅めに起床。食器の片付け。

いろいろ考えることがあるが、音楽でも聴いてがんばろう。カマラ・ハリスからの連想でカルチャー・クラブ

 


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「もし彼女が大統領になって政策が安定しないと、きっと「カマラ・カメレオン」と揶揄されるんでしょうね」

「また特定の動物差別か。そんなことをしたらカメレオンの権利を守る会の人に非難されるよ。それに、カメレオン、いいじゃないか。状況に応じて柔軟に変化できて。私も色を変えられる人間になりたいよ」

「なるほど、そういう考え方もありますか」

「なるほどじゃないよ。君も80年代の音楽ばかり聞いてないで、もっと新しい音楽を聞きたまえ」

 

朝、しばらく某翻訳のチェック。少しスイッチ。

 

なぜ不倫を刑罰で禁止しないのか

愚か者は心の中で言った。「道徳に反することはすべて法律で禁止したらよいのに」

「いやいや、それはよくないと思うんですよね。いくつかの理由から」

「な、何で私の心の中のつぶやきが聞こえたんだ?」

「まあまあ、それはそれとして。道徳に反することをすべて法律で禁止すべきでない理由として、「道徳はあいまいだから」とか「道徳は人それぞれだから」という理由がよく挙げられるんですが、ベンタムは刑罰が適さない事例として、IPMLの第13章で四つを挙げています」

「そうか。では聞いてあげよう。一つ目は?」

「根拠がない場合です。当該の行為が全体的に言って有害ではないため、防止すべき害悪が存在しない場合ということです。ベンタムはここでは書いてませんが、同性愛行為を犯罪とするのは、同意のある成人同士の同性愛行為が、同様の異性愛行為と同じく有害ではないため、間違っていると論じています」

「なるほど、では二つ目は?」

「効果でない場合です。刑罰によって害悪を防げない場合ということです。ベンタムは遡及法とか、乳児とか精神疾患で判断能力がない者などへの刑罰を考えています」

「なるほど。三つ目は?」

「不利益になる、すなわち刑罰によるコストが高すぎる場合です。刑罰によって防止できる害悪よりも、刑罰が生み出す害悪の方が大きい場合、ということです。ベンタムは姦通罪(fornification)は見つけて捕まえるコストが高いのでこれに当たるという話をIPMLの第19章でしています」

「なるほど。不倫はそもそも罰する害悪がない(道徳に反しない)、というのではなく、害悪があっても刑罰を課すとそれを上回る害悪が生じるというわけか」

「そうです。不倫は一つ目の根拠がない場合ではなく、三つ目の不利益になる場合に当たると考えているようです」

「では四つ目は?」

「必要のない場合です。すなわち、害悪が刑罰がなくても、もっと安価な手段で防止できるか、終息する場合です。情報提供とか説得とかですね」

「なるほど、最後の話はNuffield Council on Bioethicsのintervention ladderの話を思い出させるな」

「そうですね。結局、道徳的に悪いことは何でも刑罰で禁止したらよい、というのは単純で、また道徳は内面、法は外面というのも単純なんですよね。刑罰は本質的に害悪で望ましくないものという前提を置いた上で、それでも犯罪の害悪が刑罰の害悪を上回る場合にのみ刑罰を課すべきだ、というのが功利主義的な刑罰観なわけですよね」

「なるほど。しかし、君、ここまで書いてきたのと同じようなことを『実践・倫理学』の第10章でも書いてるけどね」

「え?」

 

朝、シリアル、身支度。喫茶店が混んでいたので自転車でまっすぐ大学へ。

 

午前中、メールの返事など。

お昼はベジラーメン。ふと思い立ってマウスの古いデスクトップパソコンを立ち上げてみる(暇な証拠)。使えなくはないが、やはり起動までに時間がかかる。

 

しばらく置いてあったが、いただいた本など。

 

いただきもの。生命倫理学の歴史、生命の始期、生命の終期、がん治療、臓器移植、動物実験生命科学・医科学(ELSI)、ゲノム情報と遺伝子差別の8章構成。動物実験やELSI、遺伝子差別のあたりがとくに目新しいと言えそうだ。

 

 

 

50歳になって天命を知る必要が出てきたので(ウソ)。

 

昼下がり、某対面会議。二時間弱。大学教育はどこから来てどこへ行くのか…

夕方、中央購買部で買い物をしてから研究室に戻ってくる。

一件、朗報。

 

さらに本をいただく。

WWWという言葉を初めて見た時を思い出したが、IIIFというのはウェブ上での画像の相互運用のための技術仕様だそうだ(International Image Interoperability Framework)。デジタル人文学な人々が使うもののようだが、マンガでの使用などは興味深い(「マンガにおけるIIIFの活用」)。マンガのセリフは哲学・倫理学的なものが多いが、現状ではマンガのセリフが検索できないので(電子版を持っていても)、もっとセリフが検索できるようになれば、研究が進むことだろう。

 

購入。宇宙倫理学の勉強用。私は宇宙に行くんだろうか。

 

 

夕方、勉強するつもりがマンガに逃避してしまう。いろいろ心理的なブロックが。

夜、帰宅して夕食。食後、少しだけネコの相手。

夜中、シャワー。それからしばらく前期のスライドを眺めながら質問を考える作業。少しスイッチ。週末の報告の準備もあるんだよな。逃避していてはいけない。