え、こだまの世界?

A day in the life of...

一年を急いで振り返る

1月星新一の『明治の人物誌』はおもしろかった。道徳的進歩の原稿を書いているが、これについてはさらに研究したいところ。ジェフ・ベック死去(合掌)。「今後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策における倫理的法的社会的課題(ELSI)の観点からの提言」の作成に協力する。娘とフェリーで別府弾丸ツアー。私のいびきがうるさいという問題は、某妻が耳栓をすることで後に解決された。たしか今年唯一の英語論文。今年の後半は忙しくて英語で何か書く気になれなかった。

2月:卒論や修論試問など。mac mini M2を購入。その後、研究室でのメインのマシンとして使っていて文句はない。Apple iPad Air (第5世代)も購入。64GBは小さいが、主に研究室で使っている。Airであることをすっかり忘れており、てっきりiPad Proだと思っていた…。某韓国人研究者来訪。この人とは今年はよく会った。それ以外は雑用にまみれていたようだ。

3月:京都の国際会館の巨大なホールで講演。パウル・レーの本を読んでおもしろかった。某名誉教授のインタビューのために江戸川区の平井に行く。東大の某先生の最終講義も聞く。『PLAN 75』を見る。3月13日にマスク着用の義務がなくなる。中旬にオランダ人研究者らと二国間セミナー。大変だったが仲良くなり勉強になった。韓国家族旅行。3月末に教室花見。

4月:新学期。オックスフォード哲学史を論じたA Terribly Serious Adventureもようやく出たので夏ぐらいまでかけて読んだ。おもしろかった。『京大式 臨床倫理のトリセツ』出版。Covidパンデミックを挟んでしまったのでなかなか編集作業が進まず苦労した。パーフィットの伝記出たので読み出す。それなりにおもしろかったがすっかり忘れた。パーフィット関連動画へのリンク。授業でもパーフィットを扱っていた。金沢大学で開催された応用哲学会に参加。来年は報告しないとな。月末、某名誉教授と某氏と3人で疎開先だった長野県伊那市を訪ねる旅。思えばこれが今年のハイライトの一つだったかもしれない。

5月上田市に行く。Game Changersというベジタリアンなドキュメンタリーを某氏と一緒に見る。おもしろかった。Pixel 7aを購入。iPhoneSEと二台持ちだが、カメラはPixelの方が圧倒的に良いので、以降はだいたいこちらで写真を撮っている。よい買い物だった。ティナ・ターナー死去(合掌)。『オックスフォード哲学者奇行』の続きで「いろいろ無頓着なパーフィット」、「完璧主義者のパーフィット」。

6月:某国際会議参加のため代々木の青少年総合センターに初めて行く。『チ--地球の運動について--』も読んだ。『自由論』との関係で紹介すべきか。The Oxford Groupというシンガーを含むオックスフォードベジタリアンの研究本もおもしろく読む。ウィトゲンシュタインの授業。ドイツ人研究者たちが来日していじめと責任の研究会や高校の先生のインタビューなど。

7月:『なぜヴィーガンか?』の翻訳が無事出版。あと二つ三つ翻訳がある。スプラを中毒的にやっていたが、8月のドイツ出張帰国後からは止めた。Shokz OpenRun Proを購入したが、一カ月後ぐらいに新幹線で失くしてしまい、本当にショックorz。ビアガーデンで納涼会。「世界を良くするのか、自分を良くするのか」、倫理学者にとってはそれが問題です。『予防の倫理学』出版。3年ぐらい苦労して連載してまとめた本なので、いろいろ不十分なところがあるとはいえ、力を出し切った感がある。このあとは余生…ではないが、しばらく充電期間になる気がしている。

 

8月立岩真也死去(合掌)。みなとみらいで家族で宿泊。今年は3回このあたりに行ったな。臨床倫理入門コース(初日)。放送事故があり、ちょっと困った。ベルリン出張。昨年と同じホテルに泊まったので勝手がわかっていて比較的楽だった。某氏に会ったり、某研究会で発表したり。エアコンがなくて暑いのが大変だったが楽しかった。厚労省の某WGの座長になってしまう。JBLのサウンドバー購入。リビングのテレビの音がよくなって良かったが、あまりテレビ自体を見られていないのが困ったところ。

9月:臨床倫理学入門コース(二日目)。中旬、BRIDGES国際会議を主催。大変だったがみなさまの協力で乗り切る。研究室の合宿で香川の高松へ。こんぴらさんに登る。楽しかったが、そのあと腰を悪くして整体のお世話になる。Apple Watch Series 9購入。Apple製品は文句がないが目新しさもない。『プリニウス』を読む。娘と喧嘩。その後は冷戦状態に。某日本倫理学会@みなとみらい。来年度は京大でやることになっている。そういえば、今年は参加したほとんどの学会でも比較的真面目に報告を聞いて質問した。

10月:後期開始。レイ・モンクのウィトゲンシュタインの伝記も時間がかかったが原書で読んでおもしろかった。開始早々風邪か何かで体調不良になる。「日本睡眠党の演説」。数十年ぶりに育った富田の近辺を某友人と散歩。夜の伏見稲荷神社散策。東京の国際会議で報告。懐しい人々と会って歓談。Shokzのもう一つのヘッドフォンも失くしてしまうが、今回は幸い戻ってきた。気をつけよう。メガネ新調。文鳥(後にキンカチョウと判明)が研究室に入ってきてしばらく住みついていたが、心ある人に保護してもらう。「真理と友人のどちらが大切か」。夜大文字山登頂。長風呂で重宝していたKindle Paperwhiteが壊れたので交換してもらう。感謝。龍谷大学で某関西倫理学会。「ELSIと哲学史(えるしーとてつがくしー)」。

Wittgenstein: Duty

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11月タニタ ブレスチェッカー。なかなかよい。韓国出張、報告。阪神日本シリーズ制覇。自殺予防について報告。ミル『大学教育について』。ELSIカタルシルの冊子を公開。授業や雑用で忙しくしていたようだ。

12月:廣松とかブントとか勉強している。『ゴルギアスからキケロへ』はおもしろかった。京都駅でスーツケースを失くしかけて焦った話明治学院大学で開催された日本生命倫理学会でシンポ開催。『予防の倫理学』の合評会をしてもらう。「生命倫理学の現状と展望」シンポジウムを開催。年末、家族で横浜に泊り、親戚に挨拶など。

 

というわけで、今年も一年間あっという間だった。一番良かったのは某名誉教授のインタビューを6回ほどできたことだろう。大変勉強になった。ELSIフォーラムでもインタビューを続けているが、本を読むだけでなく人から話を聴くのも重要なことが今さらながらよくわかってきた。

国際会議やオランダやドイツとの二国間セミナーなども大変だったがおもしろかった。韓国に何度か行けたのもよかった。Pandemic ELSIの研究も某氏らとslackやら何やらで仲良くやれてよかった。研究仲間は大事。

あとは本を私にしてはよく読んだ。英語でも日本語でも長風呂をしたり歩きながらKindleで読んだりしてたくさん読んだ。とくに学生運動やら廣松やらこれまで敬して遠ざけていたものにも手を付けて読んだ。後期の授業で扱った『ゴルギアス』や『ニコマコス』などは二年目でまた詳しく読み直し、学ぶところがあった。

『予防の倫理学』を出版できたことはよかった。合評会や書評も感謝。この方向でも研究を進めていきたいと思っている。

あと、そういえば、今年から同じ学部の某先生らと定期的に食事会をするようになった。研究室以外の人と定期的に飲む機会に恵まれなかったのでありがたい。