え、こだまの世界?

A day in the life of...?

分析哲学の特徴

分析哲学の特徴の一つは、分析哲学者は他の方法論を持った研究者に嫌われるということではないだろうか。その理由を考えると、やはり、論証を重視して、「あなたの論証にはジャンプがある」とか、「あなたのAという語の定義がわからないので、説明してほしい」とか、まさにアブのような質問・批判を繰り返すからだろう。要するに、人の議論を膨らませるよりは*1、人に議論にハリを刺して縮めるような質問がよしとされる気風があるのだ。分析哲学者の集まりで、「あなたの議論を聞いて、わたしはこういう個人的体験を思い出しました」なんてことを言うと、司会に「それは議論とは無関係だから次の質問に移りましょう」と流されてしまう。

*1:分析によって膨らませるのは、なかなか難しい。論証のimplicationsを論じる場合でも、「その論証だと、こういうabsurdな結論も導かれてしまう」と帰謬法になりがち。