え、こだまの世界?

Every day is like survival

四ツ谷で某会議、Look Back in Laughter、某出版社訪問、水道橋で某会食など

久しぶりに定時起床。身支度して家を出る。朝はまだ暑さはまし。バスと地下鉄で京都駅へ。

 

朝食などを買って新幹線。下記、私も同じように感じているが、なぜ手が付けられていないのかについて仮説を立てるとすれば、(1)分析哲学をやっているものが哲学史に関心がないから、(2)誰も全体像を理解していないから、(3)哲学史は西洋人がまとめたものを日本で紹介するものであり自分たちで哲学史を作るものとは思っていないから、ぐらいだろうか。

この150年の日本の哲学についての研究が、もっぱら京都学派中心で、分析哲学と限らず、第二次大戦後の75年間については、まだほとんど手が付けられていないのは異様だと日頃感じているためである。

 

飯田隆分析哲学ーこれからとこれまで』2020年、まえがき

 

下記、長いことかかったが、ようやく読み終わった。モードレンで60年代に学生時代を過ごし、それ以降90年代まで政治学のフェローをしていた人の回想録。ウェインフリート哲学教授だったライルやストローソンなどもちらっと出てくるがおもしろいのはサッチャーへの名誉博士号授与を組織的に動いて否決させた話、PPEの話(学生の多くがエコノミストなどの雑誌で活躍したというあたり)、傾いていたモードレンの財政をなんとか立て直した話、フルブライト奨学金の手本になったローズスカラーの話など。下記の抜き書きは、当時の哲学は学生が期待するような「人生の意味」ではなく「意味の意味」を研究していたこと、またローリングストーンズを聞きながら勉強していたというくだり。

(It was often said that many undergraduates were attracted to philosophy because they thought it might unlock the meaning of life, whereas what it was really about was the meaning of meaning.)

 

To a degree which some will find incomprehensible, we worked, read, studied and wrote to the sound of the Stones, the Four Tops, Procul Harum, the Beach Boys and Spencer Davis, often at full volume.

 

そういえば、フォートップスの最後の生き残りも先日亡くなったそうだ。合掌。

 

新幹線では朝食のおにぎりを食べながらメールの返事と某会議の準備など。いつも往きはできれば富士山が見える前に仮眠を取ろうと思うのだが、今回も寝る時間なく東京駅に着く。

 

午前中は四ツ谷で某会議。普段ストレスのない生活をしているせいか、この座長職は毎回削られる感じがする。お昼前に無事終了。

お昼、駅前の喫茶店でオンライン打ち合わせ。次は神保町に移動。

 

四ツ谷からJRで水道橋に行こうと思ったら、間違って丸の内線のホームに入ってしまったので、後楽園まで行き、しばらく乗り継ぎで歩いてから三田線で神保町へ。まず蕎麦。蕎麦はファストフードとして優れている。それからまた喫茶店へ。少し某翻訳のチェックなど。

 

分析哲学が生み出したもの〔児玉注:『心の概念』『個体と主語』『正義論』(!)など〕は、一般に考えられているほど無味乾燥で単調なスタイルで書かれているわけではない。しかも、大きな影響を及ぼしたものほど、作者の個性が深く刻まれた独創的なスタイルをもっている。分析哲学と限らず、学会誌に受け入れられるような論文を書かなければならないという圧力は、独創的なスタイルで論文を書こうという意欲をそいでいる。哲学の著書や論文もまた「作品」として評価されるべきだという観念が広まれば、より多様なスタイルで哲学がなされることになろう。

 

飯田隆分析哲学ーこれからとこれまで』2020年、序論

 

おっしゃる通りだな。すべての哲学書は文学作品でもあるーーそのほとんどが文学作品としてはほとんど価値がないとはいえ。

 

昼下がり、某出版社に行き、某編集者らといろいろ相談。

夕方、地下鉄で春日に移動し、某ホテルにチェックイン。部屋をアップグレードしてくれる。少し仮眠。

夜、また地下鉄で水道橋に移動し、某省庁の某氏らと夕食。歓談。省庁は2年程度で異動し続けるが、大学は四半世紀ぐらい同じところに居続ける可能性がある、という話など。ワイン。

夜中、ホテルに戻ってきてシャワー。少し某翻訳のチェック。とりあえず寝るべし。