この区別が成り立たないという記述を最近どこかで見かけたなと思ったら、某名誉教授の本だった。
- 作者: 加藤尚武
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
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これからの生活では、必要な消費と不必要な消費をしっかり見極めるということがもっとも大切になるだろう。
ところが必要的な消費と不必要な消費などという区別は、経済学が認めないのだそうだ。そういう概念を確立した張本人は、マーシャルだとガルブレイスは言う。
ガルブレイスが引用したのはマーシャルの次の文章の一部分である。「……(マーシャル『経済学原理』)」。
この引用文の中の「しかし、経済学者は心理状態をそれ自体としてよりむしろその外面的現象をとおして研究し、もしもそれらが同じ強さの行動誘因を起こしたとすれば、彼の分析目的のためには第一近似としては同一のものと取り扱うのだ」という部分だけをガルブレイスは引用する。マーシャルは必要的な消費と不必要な消費の区別ができないとも言っていないし、そういう区別が無意味だとも言っていない。ただ、経済学の客観性のために、ほぼ同一の状況ではほぼ同一の結果が発生するという「近似」を重視するという。(184-5)
もうちょっと調べないといけなさそうだ。