まだよくわからない。
- 作者: 原純輔
- 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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不平等という場合、結果の不平等と機会の不平等がある。両者を混同して議論すると、混乱が生じるので、注意する必要がある。・・・
一般的にいって、不平等とは社会的に望ましい財(ないしは資源)が人々の間で不均等に分配されている状態を意味する。結果の不平等とは、そのような財でも人びとの仕事や蓄財などの活動の結果として生じる財(これを結果財と呼ぶことにしよう)の不平等を指す。所得や資産の不平等が典型例である。ただし、ここで注意すべきことは、ある財が結果財か否かはある程度相対的である、ということである。たとえば、所得は仕事の結果として得られるものだが、所得自体が次の機会を生み出すことがある。所得の一部を割いて職業資格を取り、有利な転職をするならば、所得が職業獲得の機会を生み出すことになる。資産についても同様のことがいえる。ただし通常は、所得や資産は結果財として捉えられていて、それらの不平等は結果の不平等として扱われる。本章でもこの考え方を採ることにする。(29-30)
結果の不平等と機会の不平等を混同すると議論に混乱が生じる、というのは具体的にはどういう議論を想定しているのか知りたい。勉強しよう。
結果の不平等を是正するには累進課税や相続税が有効であるが、しかし、この問題を論じた第3章では税制について詳しくは触れなかった。それは、税については経済学者の膨大な研究蓄積がある一方で、税は人びとの勤労意欲や蓄財意欲をそぐ危険もあるからである。しかし、所得や資産分布において低い層が置かれた状況を改善するには、税制の活用を含めた形で検討する必要があろう。(226)
累進課税や相続税は機会の平等を促進するためにも有効だと思うのだが、どうなんだろうか。このあたりがわからないんだよな。そのあとの文章の流れもわかりにくいが*1、まあnitpickingしてても仕方ないので勉強しよう。
*1:「税制について詳しく触れなかった」理由を説明している文。「税については経済学者の膨大な研究蓄積があるから、ここでは税制については詳しく触れない」というのはまあわかる。とはいえ、「税については経済学者の膨大な研究蓄積があるから、ここで税制について詳しく論じる」でも意味は通るわけだが。だが、「税は人びとの勤労意欲や蓄財意欲をそぐ危険もあるから、ここでは税制については詳しく触れない」というのはどういう意味なんだろう? 勤労意欲や蓄財意欲をそぐ危険のある話題は、No-go areaということか?