え、こだまの世界?

A day in the life of...?

功利主義者のための旧約聖書

初めに、神(功利主義者)は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。

「快あれ。」

こうして、快があった。

神は快を見て、良しとされた。神は快と苦を分け、快(および苦の不在)を幸福と呼び、苦(および快の不在)を不幸と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。

(中略)

神は言われた。「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」

そのようになった。神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。

神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべて(牡蠣以下の中枢神経を持たない生き物は除く)を解放させよう。」

神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。

神は彼らを祝福して言われた。「(平均功利主義に反しない限りにおいて)産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて(牡蠣以下の中枢神経をもたないものは除く)解放せよ。」

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女は蛇に答えた。「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、触れてもいけない、死んではいけないから、と神様(功利主義者)はおっしゃいました。」

蛇は女に言った。「決して死ぬことはない。それを食べると、目が開け、神のように直観によって善悪を知る者となることを神はご存じなのだ。」(中略)

主なる神は女に向かってこう言われた。「何ということをしたのか。」女は答えた。「蛇がだましたので、食べてしまいました。」(中略)こうして人間の没落は始まったのである。

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主はアブラハムに言われた。「なぜサラは笑ったのか。なぜ年をとった自分に子供が生まれるはずがないと思ったのだ。(生殖補助医療が高度に発達した現在において)主に不可能なことがあろうか。来年の今ごろ、わたしはここに戻ってくる。そのころ、サラには必ず男の子が生まれている。」

主は、約束されたとおりサラを顧み、さきに語られたとおりサラのために(卵子提供を伴う生殖補助医療を)行われたので、彼女は身ごもり、年老いアブラハムとの間に男の子を産んだ。それは、神が約束されていた時期であった。アブラハムは、サラが産んだ自分の子をイサクと名付けた。

(なお、分娩の事実をもってサラが実の母親と認められた。)

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「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。

あなたはいかなる像も造ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない(ただし、UCLにあるオート・アイコンは除く)。

あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる。

殺してはならない(一人を殺すことによって五人の命を助けられるのではない限り)。

姦淫してはならない(それによって五人の命を助けられるのではない限り)。

盗んではならない(それによって五人の命を助けられるのではない限り)。

隣人に関して偽証をしてはならない(相手がナチスのSSでないかぎり)。

隣人の家を欲してはならない。隣人の妻、男女の奴隷、牛、ろばなど隣人のものを一切欲してはならない(ただし、奴隷と牛、ろばは解放してやること)。」

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二人は王の前で言い争った。王は言った。「『生きているのがわたしの子で、死んだのはあなたの子だ』と一人が言えば、もう一人は、『いいえ、死んだのはあなたの子で、生きているのがわたしの子だ』と言う。」そして王は、「剣を持ってくるように」と命じた。

王の前に剣が持って来られると、王は命じた。「生きている子を二つに裂き、一人に半分を、もう一人に他の半分を与えよ。」

生きている子の母親は、その子を哀れに思うあまり、「王様、お願いです。この子を生かしたままこの人にあげてください。この子を絶対に殺さないでください」と言った。しかし、もう一人の女は、「この子をわたしのものにも、この人のものにもしないで、裂いて分けてください」と言った。

王はそれに答えて宣言した。「この子を生かしたまま、さきの女に与えよ。この子を殺してはならない。その女がこの子の母である。死んだ子の母親については、クローン人間を造ってやれ。」二人の母親は泣いて喜んだ。

王の下した裁きを聞いて、イスラエルの人々は皆、王を恐れ敬うようになった。神の知恵が王のうちにあって、正しい裁きを行うのを見たからである。

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乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば、いけにえの肉で家を満たして争うよりよい。(ベジタリアンだから)

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サタンは答えた。「ヨブが、利益もないのに神(功利主義者)を敬うでしょうか。あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか(利益の自然的一致説)。(中略)ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」

主はサタンに言われた。「それでは、ヨブのものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」サタンは主のもとから出て行った。

ヨブの息子、娘が、長兄の家で宴会を開いていた日のことである。ヨブのもとに、一人の召使いが報告に来た。

「ご報告いたします。わたしどもが、牛に畑を耕させ、その傍らでろばに草を食べさせておりますと、イギリス人の動物解放運動家たちが襲いかかり、動物を解放していきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」(中略)

彼が話し終らないうちに、また一人来て言った。「ご報告いたします。オーストラリア人の動物解放運動家が三部隊に分かれてらくだの群れを襲い、奪っていきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」

ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う(動物解放論者だから)。主の御名はほめたたえられよ。」

このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった(一人を殺すことによって五人が助かるのではない限り)。

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いかに幸いなことか/神に逆らう者(直観主義者)の計らいに従って歩まず/罪ある者の道にとどまらず/傲慢な者と共に座らず/主の教えを愛し/その教えを昼も夜も口ずさむ人。

その人は流れのほとりに植えられた木。/ときが巡り来れば実を結び/葉もしおれることがない。/その人のすることはすべて、最大多数の最大幸福をもたらす。

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さて、主は巨大な魚に命じて、ヨナを呑み込ませられた。ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた。ヨナは魚の腹の中から自分の神、主に祈りをささげて、言った。

苦難の中で、わたしが「ベジタリアンになります」と叫ぶと、主は答えてくださった。陰府の底から、助けを求めると、わたしの声を聞いてくださった。

主が命じられると、魚はヨナを陸地に吐き出した。ヨナは動物解放論者になった。

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見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。/初めからのことを思い起こす者はない。/それはだれの心にも上ることはない。代々とこしえに喜び楽しみ、喜び躍れ。

わたしは創造する。/見よ、わたしはエルサレムを喜び躍るものとして/その民を喜び楽しむものとして、創造する。/わたしはエルサレムを喜びとし/わたしの民を楽しみとする。/なぜならわたしは功利主義者だから。

泣く声、叫ぶ声は、再びその中に響くことがない。/そこには、(高度な医療技術とエンハンスメントによって)もはや若死にする者も/年老いて長寿を満たさない者もなくなる。/百歳で死ぬ者は若者とされ/百歳に達しない者は呪われた者とされる。

狼と子羊は共に草をはみ/獅子は牛のようにわらを食べ、蛇は塵を食べ物とし(すべて遺伝子改変済)/わたしの聖なる山のどこにおいても/害することも滅ぼすこともない、と主は言われる。

旧約聖書完)
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訳は新共同訳で、『アートバイブル2』を参考にしました。神さまありがとう。