- 作者: 米本昌平
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1988/04
- メディア: 新書
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まだ読んでなかった。
先端医療の社会受容という問題に、最も近くに位置するのは、バイオエシックスという学問領域であろう。ただし、数年前に『バイオエシックス』(講談社現代新書)という小著をあらわした者として、あらかじめお断りしておきたいことがある。それは、私はバイオエシックスの研究者ではあってもその唱道者ではない、ということである。(5頁)
これ、どういうことなんだろうなあ。オレもバイオエシックスの「唱道者」という自己認識はないわけだが。唱道者という認識がある人って、木村利人先生とか? こういう書き方をしなければならない社会背景があったんだろうけど、よくわからない。バイオエシックス教を布教していた人がいたんだろうか。
あ、そう書いてある。
それまでの医の倫理ではとらえきれなくなった、医療の構造的変動にともなうこの新しい型の倫理問題に対応して生れてきたのが、バイオメディカル・エシックスもしくはバイオエシックスとよばれる学問であると考えてよい。このような歴史学的な分析をあえてとらず、その運動形態に注目して、バイオエシックスとは、完成された学問体系を意味するのではなく、公民権運動・消費者運動の一環としての、市民参加による討論を通して社会的意思決定を行おうとする、そのあり方である、という面を強調するのが、早稲田大学の木村利人教授である。12頁
第六章の武見太郎の話が勉強になった。