え、こだまの世界?

A day in the life of...?

いいかげんな預言者との対話

「これからの世の中はどうなるんですかね」

「一つは、グローバリズムとマイホーム主義のさらなる進展じゃ。情報技術や移動手段の発展により、グローバリズムはさらに進む。しかし、日本はかつての「マイホーム主義」がさらに純化して、一世帯一人の時代が来る。サービス業の発展や家事の自動化のおかげで、誰も一人で暮らすことに不便を感じなくなる時代が来る。世界は一つになるが、われわれも一人になる。コスモポリタニズムの再来じゃ」

「愛とかセックスはどうなるんですか」

「それもインターネットを仲介したサービス業によってほとんど解決してしまうじゃろう。多くの人々は外出することがさらに減るじゃろう。現在のひきこもりは将来のわれわれの姿じゃ」

「格差問題はどうなるんですか」

「このままでは社会が不安定になることを恐れた国家が、国民に最低限の生活を保障することにより、格差問題はひとまず決着するじゃろう。貧しき人々は、パンとサーカスならぬ生活保護とインターネットを与えられるわけじゃ」

「移民による多様化は?」

「まだしばらく日本では起きんじゃろう」

「欧米とイスラムの対立はどうなるんですか」

「それは難しい問題じゃ。しばらくは小競り合いで済むじゃろう」

「温暖化は」

「温暖化と人口増加はもうしばらくは人類史上最大の脅威となるじゃろう。この世界規模の問題に対する政治的解決は困難じゃ。技術的に克服する手段を見つけるか、他の星に植民するしかない。天才的な科学者が出てくるのを待つしかないのじゃ」

「なんだか暗い未来ですね」

「時代的には閉塞しておるからな。それに預言者というものは、もともと暗いことを言う職業なのじゃ」