- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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格差問題が社会的に認知されたのは、小泉首相が「格差があって何が悪い」と発言したからである。私は、これは論理的には正しい発言だと思っている(中略)。
不平等という言葉を使えば、よくないものという価値判断を含み、即座に解消すべきものという語感がある。単なる「差異」ならば、中立的に聞こえ、「多様性」と言えば、むしろ歓迎すべきものと捉えられる。(28頁)
あれ、すでにちゃんと指摘されてるんだな。わたしも、inequalityはこの文脈では、「不平等」に比べて価値中立的な「格差」とするのがよいと思う。
以上、忘れないようにメモ。
(2008年6月10日追記) なお、忘れないように引用しておくが、小泉首相の発言は以下。
内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、それは誤解なんですよ。私は、格差はあるということを認めているんですよ。しかし、言われているほど格差はあるとは言えないという報告を受けていると。どの国にも、どの地方にも、どの時代においても格差はあると。格差のない社会はないと、程度の問題だと。そして、どうしても個人においては、一人で立ち行かない人に対しては社会保障制度、最低限どこまで国の支援が必要かということは当然配慮しなきゃならない。と同時に、能力のある人をどんどんやっていかないと、全体が引き上がりませんよ。もうける人から税金を取らないと、税金負担ない人は、いろんな施策できませんから。だから、能力のある人からは、企業、もうけるところ出てこないと税収は上がってこない、こういうことを言っているんであって、格差のない社会なんというのはあり得ないと。