え、こだまの世界?

A day in the life of...?

読んだ本

太陽の季節

太陽の季節

「完全な遊戯」

精神病院から出てきた女性を監禁してレイプし、最後には崖から突き落として犯罪の証拠隠滅する、という話が、道徳とは無関係の世界で「当たり前」のこととして描かれる。読ませるが、それだけ。

ファンキー・ジャンプ

ジャズ小説。速読の練習に向いている。

乾いた花

やくざ博打青春小説。

俺があの男を刺したのは何のためでもない。仇だとか仁義だとか義理とか面子とか、そんなもののためにやるほど、俺はまともな男じゃない。結局俺あ俺のためにやったんだ。わかるかい、俺だけのために俺はあの男を刺したのさ。それより言い様がないんだな。(347頁)
・・・私は自分がやったあの行為を今でも完全に反芻することが出来る。あれは、そう、完璧な仕事だった。その瞬間、私はそれをやった私を本当に納得することが出来た。私は私にそれを許せた。いや、そんなことより、私は確かに、あそこにいた、在った。それが大事なことなんだと思う。私はあれについて確かに満足していた。(348頁)

卓越主義というのか、快楽説というのか。あくまで自分の欲求に忠実であること、自分の美学に適っていることが行動基準となる。
この作品は映画的で確かによく出来ている。篠田正浩監督の映画もあるそうなので、機会があればそのうち見てみよう。