え、こだまの世界?

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新しい福沢諭吉 (講談社現代新書)

新しい福沢諭吉 (講談社現代新書)

単なる拝金主義者ではなく、政府とは区別される市民社会(商業社会)の重要性を唱えた自由主義者福沢諭吉スコットランド啓蒙の流れに近いという指摘はおもしろい(103頁)。上の「有形、無形の独立」は47頁あたり。月給生活が独立の妨げとなるのは126-7頁。スミスやハイエクの経済(政治)思想と似ていたという話だが、フランクリンとかベンタムとはどうなんだろう。社会の利益を個人の利益の総体と見る(「私利は公益の基にして、公益は私利を営むものあるに依りて起きるものなり」)のあたり(99頁)は、いかにもベンタムっぽいが。それとも、マンデヴィル以来のテーマなのか。