え、こだまの世界?

A day in the life of...?

生命倫理とは

生命倫理ハンドブック―生命科学の倫理的、法的、社会的問題

生命倫理ハンドブック―生命科学の倫理的、法的、社会的問題

初めて手にしたときは、無味乾燥な本だと思ったが、今読むと大変役に立つ。第二版出してくれないかな。

生命倫理とは、書斎の学問ではすまない、現実の政策論である、という点については私も同感である。しかし、実際に世の中に出ている生命倫理学の見解は、学究の立場から論じている場合が多いためか、書斎、書物、活字、机上のものが多いように感じる。現実の社会の仕組みや、事実の積み重ねを無視して、あるべき論を講じても、理論としては正しいかもしれないが、現実に政策として実施することができないのでは意義が乏しいと考える。他方で、物事を対象化し、客観視し、体系化することも必要であり、「生命倫理学」の立場からの見解が重要であることも確かである。特に、現実を的確に把握した上でのしっかりとした学問的裏付けは政策の実行に当たっても必要である。倫理的、法的、社会的問題を扱う生命倫理は、学問としても極めて学際的な分野であり、分野融合的な研究が望まれるのである。(vii)

御用学者にもならず、万年野党にもならず、象牙の塔にも閉じこもらず。いろんな意味でバランスが必要だ。