清水幾太郎―ある戦後知識人の軌跡 (神奈川大学評論ブックレット)
- 作者: 小熊英二,神奈川大学評論編集専門委員会
- 出版社/メーカー: 御茶の水書房
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
某氏に勧めていただいたので、読んでみた。下町育ちのフリージャーナリストとしての、山の手エリート大学教授に対するアンビバレントな感情や、戦後の相次ぐ転向の話など、参考になった。
ただ、個人的生活や、『倫理学ノート』などの学術書や翻訳についてはほとんど語っていないので、人間や思想家の描写としては一面的な感じがする。まあ、このブックレットはそういう包括的な伝記ではなく、清水が戦後の論壇に及ぼした影響に焦点を絞っているから、ないものねだりなんだろうけども。
喫茶店で二時間ぐらいで楽しく読めた。そういえば、『民主と愛国』は途中までしか読んでないな。