え、こだまの世界?

A day in the life of...

清水幾太郎

清水幾太郎―ある戦後知識人の軌跡 (神奈川大学評論ブックレット)

清水幾太郎―ある戦後知識人の軌跡 (神奈川大学評論ブックレット)

某氏に勧めていただいたので、読んでみた。下町育ちのフリージャーナリストとしての、山の手エリート大学教授に対するアンビバレントな感情や、戦後の相次ぐ転向の話など、参考になった。

ただ、個人的生活や、『倫理学ノート』などの学術書や翻訳についてはほとんど語っていないので、人間や思想家の描写としては一面的な感じがする。まあ、このブックレットはそういう包括的な伝記ではなく、清水が戦後の論壇に及ぼした影響に焦点を絞っているから、ないものねだりなんだろうけども。

茶店で二時間ぐらいで楽しく読めた。そういえば、『民主と愛国』は途中までしか読んでないな。