「総理っ、内閣府の調査で、クイーンのボヘミアン・ラプソディを「よく知っている」「まあ知っている」と答えた人が、回答者の約2割に留まることがわかりました。つまり、国民の5人に4人はボヘミアン・ラプソディを知らないということです」
「えっ、そんな…。それじゃ、あのフレディの死はすべて無意味だったのか…nothing really matters...」
「いや、そうじゃなくて、どうするんですか」
「それはもう、決まってるだろう、国民の5人に4人の、ボヘミアン・ラプソディをまだ知らずに不幸な人生を送っている人々にボヘミアン・ラプソディを知らしめねばならぬ」
「そうですよね。どうしましょうか」
「じゃ、とりあえず、国歌にするか」
「いや、それは。その、やっぱり簡単には無理というか」
「いやいや、これから国会でロビー活動をしてだな。そうだ、郵貯の貯金限度額を3000万円に引き上げるか。それで郵政票も動員して…」
「無理ですよ、そんなの。それに、国歌になっても卒業式とかで歌えないじゃないですか」
「裏声なら大丈夫だろう」
「いや、裏声でも無理ですから。それにわれわれ日本人はハモるの下手ですし」
「いいんだよ。口パクで。みんな反り返って腕を胸の前で組んでればいいんだから」
「総理、真面目にお願いしますよ…」
(以下略)