- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1993/09/01
- メディア: 文庫
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歴史小説に関心がなかったせいか、司馬遼太郎は『関ヶ原』以外、ほとんど読んだことがない。今日の東京新聞の社説で『この国のかたち』が引用されており、ちょっと気になったので借りてみた。博識かつ枯れた感じの書きぶりで、おもしろく読めるエッセイ集。敗戦後に日本の歴史を勉強し始めた理由について書かれてあるあとがきも興味深い。
日本人は、いつも思想はそとからくるものだと思っている。(…)
要するに、歴世、輸入の第一品目は書物でありつづけた。思想とは本来、血肉になって社会化さるべきものである。日本にあってはそれは好まれない。そのくせに思想書を読むのが大好きなのである。(18-20頁)