ソーリー・ワークス!: 医療紛争をなくすための共感の表明・情報開示・謝罪プログラム
- 作者: ダグ・ヴォイチェサック,ジェームズ・W・サクストン,マギー・M・ フィンケルスティーン,前田正一,児玉聡,高島響子
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本
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翻訳が出たので紹介しておく(前田正一監訳、児玉聡・高島響子訳)。
タイトルが少しわかりにくいかもしれないが、医療事故が起きたときに患者とその家族に対して迅速に情報開示と謝罪をすることを勧め、またその仕方について解説している本。
他の業種と同様、医療においても組織によるミスの隠蔽というのが問題になっている。しかし、医療事故後に事故の事実を隠したり患者や家族に嘘をついたりすると、医療者と患者の間の信頼関係が失なわれるばかりか、民事訴訟や刑事訴訟に発展して、誰一人幸せにならないという結果が生じる。とりわけ米国ではこのような理由で生じる民事訴訟が長いあいだ数多く行なわれてきた。
そこで、発想の転換を行ない、医療事故後は院内における徹底した調査を迅速に行ない、情報開示と(必要な場合には)謝罪と補償を行なうことで、医療者としてのintegrityを保つとともに、医師-患者関係を維持することもでき、訴訟の費用も節約できる、という考え方が、とくに2000年代になって英米圏で盛んに言われるようになってきた。本書はそういう流れにある代表的な一冊。基本的には医療関係者のための本だが、謝ることの重要性についても教えてくれるので、一般の人が読んでもそれなりにおもしろいだろうと思う。
翻訳はたしか6月ごろから本格的に始めて、こないだまで苦労してやった。まあわかりやすく訳してあると思う。哲学書ではないので、比較的意訳の部分も多いが、内容は基本的に正確なはず。
Sorry Works! 2.0: Disclosure, Apology, and Relationships Prevent Medical Malpractice Claims
- 作者: Doug Wojcieszak,James W. Saxton,Maggie M. Finkelstein
- 出版社/メーカー: Authorhouse
- 発売日: 2010/01/12
- メディア: ペーパーバック
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