
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1995/01/01
- メディア: 文庫
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Tsutayaのレンタルコミックで初めて借りてみた。この手の戦隊ものマンガのはしりだと聞いていたので。
漫画は古く、コマ割りなどに迫力はないが、やはりいろいろな能力を持った敵味方が、(影丸以外)どちらが負けるか読者にはわからない状況で争うところにはハラハラさせられる。影丸が最初から強くて、成長することがない点は、その後のジャンプ系の漫画の王道とは異っている(最近は違うのかもしれないが)。ただ、成長する設定にすると、打ち切られるまでいつまででも成長しなくてはならず、ドラゴンボールのようなことになってしまう。とはいえ、逆にまったく成長しないと、打ち切られるまでいつまでも同じようなことの繰り返しになる。
この繰り返しというのは、それでそれで意味があり、毎回同じような争いを繰り返すことで、争いの空しさ、大局的な意味もわからず駒のように使われて死んでいく忍者たちの、人生の意味について考えさせられることになる。これは、影丸の劇画的というか大人向けなテーマだろう。命令されたから使命を果たそうとするが、なぜ戦わなければならないのか、この争いの意味は何なのか、仲間を失って勝ったところで何の意味があるのかと自問自答するのは、『あずみ』などでも繰り返されている。