■プレスリリースにも出ていない驚きの仕掛け
さらにここからはウィルコムのプレスリリースにもない情報だが、背面パネルを開けると、なんとSIMカードスロットに2枚のカードを挿せるようになっている。中国など海外市場では2枚のSIMカードを使える携帯電話が売られているが、日本メーカー製では間違いなく「初」といえるだろう。
これが便利なのは特に海外での利用時だ。SIMカードスロットは1つめはデータ通信用、2つめは通話用という役割になっており、例えば、1つめに現地の高速データ通信用のSIMカードを挿し、2つめの通話用にはNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど普段使用しているSIMカードを挿す。これによりHYBRID W-ZERO3が1台あれば、海外での通話を国際ローミングとして受け、さらにネットへのアクセスは現地のSIMカードで安く抑えるという離れ業が可能になる。
海外出張が多いユーザーにとっては、パソコンがなくても手軽に安く仕事をこなせる重宝な存在となるだろう。
今回用意されたW-SIM型のGSMモジュールを海外で利用可能なSIMカードと組み合わせることで、海外のGSMエリアでの利用が可能となる。このモジュールはPHSが普及する中国ではすでに商用化されているものだ。須永氏は言う。
「今後、中国のTD-SCDMAモジュールも登場する可能性がある。メーカーにとっては、海外展開しやすい製品になっている」