サルトルみたいなのが医者だと困るだろうな。「それは患者のあなたが決めることだ」。
あれ、この話は以前に日記で書いているな。
日赤サルトル病院にて
患者「サルトル先生、わたしは乳房切除術と、乳房温存術のどちらを選べばいいんでしょうか」
サルトル先生「君は自由だ。選びたまえ」
患者「え。そ、そんなことを言われても。困ります。先生、おまかせします」
サルトル先生「君は自由の刑に処されてるのであって、君自身が自分を未来に向けて投企しなければならないのだ。選びたまえ」
患者「そんな。先生、そんなの無責任じゃないですか。先生を当てにしているのに」
サルトル先生「私の病院に来た時点で、すでに君はどのような助言を受けるか、選んでいたのだ。さあ、選びたまえ」
生命倫理学者「え〜、ちょっと待ってください、サルトル先生。サルトル先生のインフォームド・コンセントは、情報提供型ですね(情報を提供するだけで、患者の意思決定に口を挟むことはしない立場)。というか、情報を提供することさえしてないんじゃないですか。ところで、患者さま、あなたは幸せですか」
患者「幸せなわけないじゃないの。なに場違いなこと聞いているの。そもそもなんで生命倫理学者がこんなところにいるのよ。こ、この穀潰しが。さっさと出ていきなさいよ。ねえ、サルトル先生」
サルトル先生「それも君の自由だ。さあ、選びたまえ」
それにしても、自己決定というのは本当に難しい。合理的に決めるには、十分な情報もないし、意思も強くない。I get by with a little help from my friends...