「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から (岩波新書)
- 作者: 中島みち
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/09/20
- メディア: 新書
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内容がおもしろく、大変興味深く読んだものの、気になったのは、なぜこの本が岩波新書として出るのかということだ。新書の内容は多様化しているとはいえ、基本的には新書は専門的研究を一般読者にわかりやすく書くという啓蒙書の役割を担っているのではないのか。この本は前半はルポ、後半は医療・行政の動きを、かなり市民運動的な視点から批判しており、学問的な中立性はない。また、積極的安楽死、消極的安楽死の区別など、安楽死・尊厳死の基本的なタームの説明もないので、素人にとってはハードルが高い。別にすべての本に学問的な中立性を求めるわけでもないし、ルポも市民運動も重要だと思うのだが、岩波新書でやることはないだろうというのが正直な感想。
まあ、人の批判をするだけでなく、自分でちゃんと書かないとな。