え、こだまの世界?

A day in the life of...?

倫理は人それぞれか

学生のレポートを読んでいると、「倫理は人それぞれなので」と当たり前のようにさらっと書いてあるので、いつものことだが、自分とのギャップに考えさせられる*1

こういう倫理は人それぞれというのが普通の感覚なのだろうが、これは誰が広めている考えなのか。リベラルな教育の帰結? これについてはそのうち真犯人を見つけ出したい。

なぜ自分はそう考えていないのか。功利主義者だからか、英米の倫理を学んだからか。理性を信じているからか。確かに、人によってさまざまな考えがあることは認める(不倫は絶対やらない、たまにはやってもよい、嘘は絶対だめ、たまにはよい、など)。しかし、十分に考えて、しかも正確な事実がわかるならば、おそらく答えは一つに収束するだろう、と思ってるんだよな。しかし、これは本当に正当化できる信念だろうか。もうちょっと自己吟味する必要がある。

また、何が倫理的な問いなのか、についてもよく考えてみる必要がある。「自分はどう生きるべきか」(どういう仕事に就くべきか、どの大学に進むべきか、など)という問いは、必ずしも倫理的な意味はないかもしれない。その場合には、「人それぞれ」で構わないだろう(たぶん)。ヘア読もう。

*1:以前、「倫理は普遍的な真理である」と書いてあるレポートがあり、これはこれで考えさせられたが。