今日の朝日新聞にあった俳優の仲代達矢のインタビュー記事は全体的にはおもしろかったが、一文だけ気になるところが*1。
日本人は全学連時代以降、闘うことを忘れてしまった。フランスはじめヨーロッパでは、何か問題が起きると全員で闘うでしょう。・・・生活のために闘うことを、日本人は忘れているのではないでしょうか。私も役者という仕事を通じて、悪しき権力に向かって闘っていきたいと思っています。
(2009年1月4日朝日9面、強調オレ)
生活のためにデモをするというのは結構なのだが、この「悪しき権力」が存在するという前提は何なんだろうな。「世の中が悪いのは悪しき権力のせいで、それを倒せば、世の中は良くなる」んだろうか。「小市民=善、お上=悪」という発想は、あまりに単純だと思うのだが。
(見えざる神の手のおかげで)善人だらけでなくても資本主義が回るように、悪人だらけでなくても政治・経済システムの不具合によって世の中は悪くなるのではないか。もう少し考えて書くべきところだが、もう寝る時間なので、詳しくはまた。
*1:これが仲代さんの正確な発言だったかどうかは置いておく。