え、こだまの世界?

A day in the life of...?

読んだ本 (空気の発見)

空気の発見 (角川文庫 白 124-1)

空気の発見 (角川文庫 白 124-1)

トイレ文庫読了。少年少女向けの啓蒙書だが、普通におもしろい。昔これを読んでたら化学を目指していたかも。いろいろ説教くさいところがいい。

みなさん、こういうこと[空気に重さがない魂のようなものだと信じられていたこと]は、昔のことで、いまは、そんなことはない、などと考えてはなりません。いつの時代にも、このような不合理なことが、多くの人々によって、しかも、えらいといわれる人から教えこまれ、信じられているのです。私たちは、ガリレイや、コペルニクスのこの不屈の精神をうけついで、このような不合理なことにたいし、あくまでたたかい、なによりも、正しいことを人々につたえる人にならなければなりません。(15)

えらい学者のいうことだから、まちがいはないだろう、とか、どの本にも書いてあるし、だれも、そういうのだから正しいだろう、という考えは、昔もいまもおなじことです。

しかし、みなさん。どんなりっぱな学者がいったことでも、多くの人が信じこんでいることにでも、自分になっとくのいかないことはないでしょうか。学問は、なっとくのいかないことを、そのまま、うのみにする人々の間では、けっして進歩しません。なっとくのいかないことは、どんなことでも、大きいうたがいをもって、それを、自分自身の力で解決しようとする人々によってのみ、学問は進み、多くの人々の考えを、正しい方向にみちびくことができるのです。(36)


批判的精神を持て、ということだな。現在がbest possible worldだと信じてはいけない、と。打ち込んでいて、ミルの自由論を思い出した。ミルの自由論もイギリス人にとってはこんな感じの本なのかな。