え、こだまの世界?

A day in the life of...?

UCL法学部のニューズレター

ロンドン留学中の某氏に以前教えてもらったニューズレターを今ごろ読む。ロナルド・ドゥウォーキンやジョナサン・ウルフらがインタビューで、彼らが1998年ごろから行ってきた法哲学・社会哲学コロキアム(UCL Colloquium in Legal and Social Philosophy)について回想するという内容。自分も少し聴講したことがあるので、なるほどそういう背景があったのかと大変おもしろく読む*1

このUCLのコロキアムについてだが、これ自体は1981年からドゥウォーキンとネーゲルがNYUで始めたコロキアムを模したもので、UCLの研究会のフォーマットは大体こんな感じ。

  • ペーパーは事前配布。
  • 11時から12時半まで、チェアをするドゥウォーキンら三人が準備の会合をする。
  • 上記三人が、昼食をとりながらスピーカーと話し合い、論点を三つぐらいに絞る。
  • しばらく休憩。この間、コロキアムに参加する修士学生のための、事前準備セミナーが別の先生によって開催される。
  • 4時から7時まで本番の研究会。20分ほど、チェアによるペーパーの紹介がなされたあと、チェア3人とスピーカーの間のやりとりがなされ、そのあとフロアとの議論になる。
  • その後、夕食が9時半まで続き、その間もディスカッションが行われる。

これがほぼ毎週、二ヶ月ほど続く感じだったと思う。ドゥウォーキン以外はかなり疲れていたようだ…。UCLではこのフォーマットで約10年間続いたが、2007年末でドゥウォーキンが法学部のポストから抜けたので、残念ながら今後の運営は不透明っぽい。研究会を存続させるのは難しいということだ。

このニューズレターを読んで、少し勉強する気になった。もうちょっと英気を養いに、マンガ喫茶でも行くか。

*1:先日の草原先生の本と言い、この件と言い、歴史を知ることは重要だ。歴史を知らないと、現在起きているイベントの意義を十分に理解できない。逆に言えば、歴史を学ぶ意義の一つは、現在の出来事の意味をよりよく理解できることにあると言える。