- 作者: J.ボズウェル,James Boswell,中野好之
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ついに英文学に目覚めた・・・のではなく、某翻訳のチェックに必要になったので。読んでみるとけっこうおもしろい。平等が相当嫌いだったようだ。
君、世の平等主義者は他人を自分の水準まで引き下げようと懸命だが、他人をその水準まで引き上げることに我慢がならない。彼らは皆、誰か他人を自分より下に置こうとする。それならば何故に誰かを自分よりも上に置かないのか? (65)
得意の話題である人間の従属関係について彼は言った、「人間は生まれつき平等だなどというのは真赤な嘘だ。二人の男がものの30分も一緒にいれば、必ずや一方が他方に対して明確な優越を示す。」(81)
前者は理解できるが、後者は事実と当為をごっちゃにしてる気がするな。
私は幸福な人はすべて同程度に幸福である、、、というヒュームの説を紹介した。ジョンソン、「君、幸福な人びとは皆同じ程度に幸福だ、という説は正しくない。百姓と哲学者は同じ程度満足かも知れないが、同程度幸福ではない。幸福とは快い意識の多面性のことだ。百姓は哲学者と同程度の幸福量を持つ余裕がない。」私はこの同じ問題がユトレヒトのロバート・ブラウン尊師によって極めて巧妙に例証されて、ヒューム論駁に用いられたことを思い出した。「小さい水飲みコップと大きいものが、(と彼は言った)同じように一杯だとは言いうるが、それでも大きい方の容量は小さいのよりは大きい。」(78-79)
ミルの快楽の質の議論。
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某翻訳でチェックする必要があったのは、次の引用。原文はグーテンベルクで読める([76]のところ)。
コーヒーの後で我々はセント・クレメント教会の午後の礼拝に出かけた。途中の路傍の何人かの乞食を見やって私は彼に、世界のどんな文明国も最下層の民衆の悲惨な困窮を予防できた事例はないように思われると述べた。ジョンソン、「君、僕もそう信ずるね。しかし全員が不幸であるよりは一部の者だけが不幸な状態がずっとよい。全体的な平等という状態では、必ずや全員が不幸になる。」(254-5)
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これぐらい手元に持っておくべきだなあ。古本屋で見かけたら買おう。(古本屋行かないけど)