え、こだまの世界?

A day in the life of...?

買った本 (Happiness, Predictably Irrational, What is intelligence?)

昨日の続き。

Happiness: A Revolution in Economics (Munich Lectures in Economics)

Happiness: A Revolution in Economics (Munich Lectures in Economics)

経済学のおもしろい動向をサーベイした本。ベンタムが生きていたら泣いてよろこぶだろう。スイスのチューリッヒ大学に経済学実証研究研究所(Institute for Empirical Research in Economics)というのがあるようで、著者はそこの所長。文献一覧も参考になる。よく勉強しよう。以下、扱っているテーマの中で、とくに気になるもの。

  • 主観的効用と客観的効用
  • 所得・失業と幸福の関係
  • 直接・間接民主主義および連邦制と幸福の関係
  • 自営業・ボランティアと幸福の関係
  • 結婚と幸福の関係
  • 手続きから得る効用(procedural utility)と結果から得る効用(outcome utility)
  • 誤った効用の予測(mispredicting utility)
  • テロと幸福の関係
  • 政策的含意
  • 租税と幸福の関係
  • 幸福と政体

おもしろい。翻訳してもいいかも…と考えたが、フライの以前の本がすでに訳されているんだな。内容はかなり重なっているようだから、いいのかな。翻訳している暇があったら、本を書こう。

幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

Predictably Irrational: The Hidden Forces That Shape Our Decisions

Predictably Irrational: The Hidden Forces That Shape Our Decisions

製本がきちんとなされておらず、ページがつながっている。返品したいところだが、面倒なので目を通すついでに切ることに。

行動経済学の手軽な入門書。われわれがなぜ合理的でない選択・行動をするか(なぜセーフセックスができないか、なぜ早く病院に行けないか、なぜお金を貯められないか、など)について、実証研究を用いて説明している。ニューヨークタイムズ・ベストセラーとあるが、確かに読ませる。よく読んで行動を修正しよう。

What Is Intelligence?: Beyond the Flynn Effect

What Is Intelligence?: Beyond the Flynn Effect

この一世紀ほどの間、IQテストのスコアは上昇を続けているそうだ。これを発見した研究者の名を取って、「フリン効果(Flynn Effect)」と言う。この上昇傾向については、いろいろな説明が提出されてきたが、本書ではこの効果の発見者が新しい仮説を提示する、というような本。詳しく読むのは面倒だが(Guardian Weeklyに記事がある)、要するに、個人が遺伝的に賢くなっていっているというよりは、社会における知の蓄積が進んだ結果だろうという説明を提示しているようだ。以下は、心理学者は社会学を学ばないと間違えるという教訓を述べているところ。

No one should do psychology without some sociological sophistication. Hegel once said that to really understand the least facet of the universe we must know the whole. Pity the poor social scientist. Before we know anything about human behavior, we must know something about virtually every one of the human sciences. (110)

倫理学者も気をつけること。