同時代史〈第2巻〉明治十一年より明治二十六年迄 (1950年)
- 作者: 三宅雪嶺
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1950
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区立図書館で一冊だけ借りてみた(借りたのは第一巻、1949年)。
わが生の意義、わが生の使命、われはいかに生くべきか、それを哲学的に考察して、わが生きる所以を、よりはっきりとつかむというのが、いわば雪嶺の哲学活動ともいうべきものの中心問題で、知識的に哲学について研究し、または論理的に哲学問題を解決するという学問的な哲学とは、いささか方向が異なっていたらしい。何にしても、自己の生き方を中心にしていただけ、雪嶺の哲学的考察は、多分に倫理的なところをもっていたのは、事実である。(柳田泉による解説566頁、原文は旧仮名遣い)
雪嶺の記憶の好さは実に無類といってもよく、その点は、今日でも私どもの先輩や同志の間で、伝説のようにいろいろなことが伝わっている。すなわち、書物を読んで忘れるくらいなら、初めから読まない方がよいといったとか、忘れる記憶なら記憶といえないといったとかいうことであるが、それは単に伝説ではなく、実際そういうことを聞いた人々がある。(同、574頁)
すごいなあ。うらやましい。