え、こだまの世界?

A day in the life of...?

さらに読む

シビル・ミニマムの思想

シビル・ミニマムの思想

余暇空間の日本的現実

たしかに高度成長は、日本の国民生産力の拡大をもたらした。しかしながら、それは企業資本のみの増大ないし内部経済の充実であって、老人などにおける社会保障の未整備、住宅・公共施設などの社会資本の不足、ついで郊外という外部不経済の排出をうながしたことは周知の事実となっている。その間隙をぬって社用族の横行、主婦や青年層・老人層の倦怠感の拡大、ありはバーや喫茶店の繁昌、レクリエーション・センターやマージャン屋、パチンコ屋の活況、トバクの横行、ノーキョウ型団体旅行の隆盛などが爆発しているのである。ここに余暇の増大にもかかわらず、人間的安静の欠如、あるいは余暇の増大にともなう社会的荒廃がみられる。これはまさに日本における余暇空間の不在といってよい現実を反映している。223頁。

なるほどねえ。余暇を教養を高めたり、政治活動をするために使うのではなく、パチンコ屋に行ったりマンガ喫茶に行ってストレス解消のために使う。まあ、ストレス解消は休暇の一つの役目でもあると思うけれども。
余暇の目的は「いこい」「遊び」「創造」の三つだそうだ。どういう施設があればいいのかな。「「いこい」における都市内部での自然の復活、「遊び」における人間的可能性の発掘、「創造」による多様な経験・情報の交流--これらの喪失ことが、今日の都市の崩壊の現実である」225頁。自然に囲まれたところで、マンガをみんなで読んで感想を言い合うとか?