え、こだまの世界?

Every day is like survival

某披露宴、某スピーチ、三条で二次会など

夜中

朝、遅めに起床。シリアル、朝刊、身支度。

午前中、急いで某スピーチの作成作業。

お昼前に家族でタクシーに乗って某ホテルへ。タクシーから出たらホテルのスタッフに「児玉先生ですか」と声をかけられ、驚く。仲人も顔が割れているようだ。仲人控室に案内される。

それからモーニングに着替える作業。新郎新婦、新郎新婦のご両親が代わる代わる来て挨拶。

昼下がりから某披露宴。立礼など慣れない仕事を某妻と一緒にこなす。高砂で新郎新婦を紹介する定型の文章を読み上げたあと、下記のスピーチをする。

某結婚式のスピーチ

 さて、最後に少し私事になりますが、今回、媒酌人を務めております私と妻は、結婚してまもなく二十年になります。その間、決して順風満帆というわけではありませんでしたが、このたび新郎新婦から「夫婦円満の秘訣は何ですか」と尋ねられましたので、長年の研究成果として、妻、私、そしてアリストテレスビートルズの見解について順にご紹介したいと思います。
 まず、政治学者である妻の見解ですが、夫婦円満の秘訣は、「耳栓」だそうです。これは、愛する人であっても、いびきだけは聞きたくない、という現実的な意味かもしれませんが、比喩的な意味で解釈すれば、「ときには話を聞き流すことも大切」ということを示しているとも考えられます。お互いの小さな違いには耳を塞ぎ、必要以上に反応しない、という寛容さが、夫婦の平和を守るのかもしれません。
 次に、哲学者である私の考えですが、「適切な距離を取ること」がつねづね大切だと思っております。これまでの経験から申しますと、私と妻がいちばん仲がよいのは、どちらかが海外出張から帰ってきたときです。やはり、相手がいなくなって初めて、その存在の大切さに気付くものです。
 このたびお二人は、遠距離での交際を経て、一緒に暮らすことになりました。共に過ごす時間が増えることは、愛情を一層深める素晴しい機会です。しかし一方で、動物でも狭い檻に入れられると、互いにストレスをためて争いを始めることがあります。
 そこで、上司として、お二人が適切な距離を保てるように、時々それぞれを国内外の出張に派遣しようと思っております。そうですね、頻度としては、まあだいたい一年に一度くらいでしょうか——お二人が、織姫と彦星のように再会を喜べるよう、うまく調整したいと思います。
 さて、ここまで、まったく哲学者らしからぬ話をしてまいりましたので、三番目に、古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスの見解を、ごく簡単にご紹介したいと思います。
 アリストテレスは、人を愛する仕方には三つの形があると述べています。第一は、相手から得られる快楽のために愛すること。これは若者に多く、しかし何に快楽を感じるかは移ろいやすいため、長続きしないことが多い。
 第二は、相手が自分にとって役に立つから愛すること。これは年配の人に多いものの、利益がなくなれば、関係も薄れてしまう。
 そして第三は、相手が尊敬できる立派な人物だから愛すること。この場合、相手に快楽や利益を求めるのではなく、むしろ相手のためになることをしようと努めるようになります。お互いが相手の徳を愛するとき、そうした愛が最も長く続くと、アリストテレスは述べています。
 どうかお二人が、お互いのことをいつまでも尊敬し合えるご夫婦でありますように願っております。
 最後になりましたが、現代最高の哲学者と言えるビートルズもまた、夫婦円満の秘訣について実に味わい深い言葉を残しているので、これをご紹介しておきたいと思います。
 それは、She loves you. ……ではなく、アルバム『アビイ・ロード』の最後にある次の一節です。

And in the end (結局のところ), the love you take (あなたが受けとる愛の大きさは) is equal to the love you make (あなたが生み出す愛の大きさと等しいのだ).

 以上、少し長くなりましたが、新たな人生を歩み始めるお二人に、皆さまの温かいご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。

 

そのあとは、娘もいるため、高砂から普通のテーブルに移動させてもらい、普通に食事をする(ヴィーガンメニュー)。酔う。演奏しているジャズバンドのピアニストが某氏の妹さんであることがわかり、驚く。

閉会時にもう一度立礼をして、無事に終了。良い結婚式でした。

夜、レンタルしたモーニングを脱いで、三条の二次会に参加。ガス抜き。

二次会終了後、歩いて帰宅。風呂に入ってさっさと寝るべし。