え、こだまの世界?

A day in the life of...

哲学者との会話

A:どうやったら人々を倫理的にできるのか。
哲学者:それは「倫理的」の定義によるね。
A:では、どうやったら犯罪件数を下げることができるのか。
哲学者:それは、犯罪が悪いことであると仮定しての話だろう。
A:というと?
哲学者:つまり、何が「犯罪」かがまずわかっていなければ、「犯罪」の件数を下げるべきかどうかがわからない。たとえば、表現の自由を抑圧する法律があった場合、「犯罪」の件数を下げるべきと言えるだろうか。
A:すぐ哲学者はそういう話をして話をはぐらかそうとする。
哲学者:概念や定義を正確にしないと、話を進めるわけにはいかないからね。
A:よかろう。では、答えてほしいのはこういうことだ。仮に、誰もが望ましくない犯罪あるいは非倫理的な行為があるとして、その件数を下げることが目的である場合、どうやったら犯罪を減らして人々をより倫理的にすることができるのか。
哲学者:犯罪が減ったからといって人々が倫理的だとは言えないかもしれない。たとえば、物理的に人々を檻に閉じこめれば、犯罪は減るだろうが、人々は倫理的になったとは言えないだろう。
A:ああいえばこういう。まったく哲学者というのはどじょうのようでつかみどころがないね。