え、こだまの世界?

A day in the life of...

キカイダー感想

人造人間キカイダー 6 (サンデー・コミックス)

人造人間キカイダー 6 (サンデー・コミックス)

読み終えてしまった。以下、いくつかメモ。

  • 良心回路(ジェミニ)。ディズニー版のピノキオのコオロギから。「わるい命令には絶対に従わない」ようにできているらしいが、どういう基準が採用されているのかがわかれば、倫理学の問題の大半は解決されるだろう。
  • 良心回路が不完全で善と悪に引き割かれている、という発想(第一巻)と、服従回路(イエッサー)が埋め込まれて悪の心を知って初めて人間と同じになれたという発想(最終巻)が混在している。好意的に考えれば、前者はモラルとアモラル、後者はモラルとインモラルという対比なのかもしれない。
  • 何度も家をロボットに襲撃されても(いつも窓を破られる)、最後まで同じ家にいるミツコがすごい。
  • ロボット三原則も出てきた。なぜかジローだけが三原則を守るようだが、良心回路とはどういう関係にあるのか。(第二巻)
  • アシモフロボット三原則と、ロールズの正義の二原理は関係あるだろうか。アシモフの原則には辞書的優先性があり、ロールズの二原理も実は三つ原理があるという類似性があるわけだが。
  • 名言1。ジロー「なぜだ? なぜ生命がおしい…? …自分の生命…だからか!? …他人の生命ならかまわないというのか!? …だれの生命でも…生命のとうとさには変わりはないはずだぞ!!」(第二巻)。普遍化可能性。
  • 名言2。イチロー「バッキャロ! そんなもん(良心回路)がついてるからよけいなことまで悩んじまうんだ!! それにだいたい……そいつは人間がおのれにつごうがいいようにつけたんじゃねえか!! …自分たちは持っちゃいねえくせによ!! わるいことをするのは人間だけだぜ!!」(第4巻) これはマンデヴィルの見解と言える。
  • 迷言1。悪役のギル・ヘルバートの紹介文「ロボットを悪に利用する外人」。「外人」というカテゴリーがあれだ。
  • 迷言2。ハカイダービジンダーに対して。「…ウ〜〜おまえさんズベ公だな…顔に似あわずそうとうのやり手だぜ!!」(第六巻)